イギリスで銀行口座を開設。
イギリスの銀行口座開設に苦労している人のブログを何度か拝見したことがあります。
私は「苦労した」とまでは言えませんが、スムーズに銀行口座を開設できたというわけでもありません。
渡英直後、まず初めにしなければならないことの一つが銀行口座の開設。
銀行口座がないと働けませんからね。
とは行っても、イギリスにどんな銀行があるのかすら知らなかった私。
口座作れたらどこでもいいんだけどな、2年しかいないから利率とかは重視しなくていいし、と考えていました。
インターネットで調べてみて、Barclays、Lloyds、HSBC、NatWest...この辺りが有名そうだと目星をつけました。
それぞれの銀行のウェブサイトで口座開設に必要な書類を確認して愕然としました。
「身分を証明できるID、(外国人の場合は)有効なビザ、住所を証明できるもの」
ID:パスポート OK!
ビザ:BRPカード OK!
住所を証明できるもの:ない!!!
渡英したばかりの私には住所を証明できるもの(公的機関からの手紙、光熱費の請求書、給与明細など)が全くなかったのです。
困ったなー。
そんな私に救いの手を差し伸べてくれたのがLloys銀行。
Lloyds銀行のウェブサイトに「以下に該当する国のパスポートを持っている人は住所証明がなくても、パスポートと有効なビザだけで口座を開設できます」と書いてあり、その中に日本も含まれていたのです。
イギリスでよく見かける馬のマークの銀行がLloyds銀行です。
これはLloydsに行くしかない!!!
(※現在は制度が変わり、日本人の場合も口座開設には住所証明が必要になったそうです。涙)
まず、家からアクセスがよかったHammer SmithのLloyds銀行に行きました。
カウンターにいたお姉さんに銀行口座を作りたい旨を伝えると『必要な書類は全部持ってる?』と聞かれたので、「住所証明がないんですが、日本のパスポートを持っているので大丈夫ですよね?」と答えました。
そしたら、お姉さんはPCで何かを確認して『そうね、日本人ならOK!今日の予約枠は16時以降しか空いてないけど、どう?』と聞かれました。(訪れたのは14時頃)
イギリスの銀行は予約制です。
日本のように行ったらすぐに窓口に案内してくれるわけではないので、まずは「予約を取るために」銀行に行かなければならないのです。(めんどくさw)
その日、私は15時半にオーペア先の子供を学校に迎えに行かなければなかったので、16時はどう考えても無理。
「今日のその時間は来られません、明日の予約は取れますか?」と聞くと、『明日の予約は今日取れないから、また明日来てね!』だと…まじか…。
どうしようもないのでその日は退散。
次の日の朝10時頃、再び同じ支店に行きました。
カウンターに昨日のお姉さんは見当たらず、代わりにマネージャーっぽい威厳のあるおばさまが。
「新しく銀行口座を開設したいのですが。」
『必要書類は揃っていますか?』
「パスポートとビザを持っています」
『住所証明は?』
「日本人は住所証明がなくても口座を開設できると聞きました、昨日こちらの職員の方にも確認しています」
『…ダメよ』
「え??昨日は大丈夫と言われました、御行のウェブサイトにも記載されていますし」
『ダメ!!とにかく、何か住所を証明できるものがないと、うちでは口座は開設できません』
…そんなんありなん???笑
これぞ、イギリスです。
一度OKと言われても、時間が変われば、人が変わればNGになります。涙
せめて前日にお姉さんの名前、聞いておけばよかった。(それでも無理だったかもしれないけど。)
なーんだ、銀行口座って意外と簡単に開設できるのね、と考えていたので意気消沈。
あのおばさまの顔は今でも覚えてるw
おばさまに食い下がるのは時間の無駄だと判断して、近くに別のLloyds銀行の支店がないか調べました。
そして、Hammer Smithからバスで20分ほどのPutneyに支店を発見。
その日は運よく何も予定がなかったので、そのままPutney支店へ向かいました。
銀行に到着し(この時点でモチベーションダダ下がりw)、カウンターへ向かうと気の強そうなお姉さんが…。
あーこれは無理かも…なんて思いながら銀行口座を開設したいと伝える。
「こんにちは、新しく銀行口座を開設したいのですが。」
『必要書類は持ってきていますか?』(お決まりの質問w)
「パスポートとビザはあります、でも住所証明がありません。」
『あー、これは困ったね…新規口座開設には住所証明が必要なの』
「イギリスに来たばかりで、住所を証明できるものがありません。」
『そう…じゃあNIナンバーはある?』
「申請中で届くのを待っている状態です、まだ番号はありません」
『うーん…じゃあ雇用契約書は?』
「仕事はオーペアです。もし必要なら雇用主のご家族に一筆書いてもらえるよう頼みますが。」
(この時点ではSelfridgesの仕事はまだ決まっておらず、オーペアのみでした。)
『雇用契約書や雇用主からの手紙は、登録されている会社(ある程度の規模がある会社)のものじゃないと有効じゃないのよ…困りましたね…』
ここで、奥からマネージャーらしきおじさんが登場。
二人で私のことを話している。
そして、そのおじさんが一言。
『うちで口座を作りたいなら、オーペアしている家の請求書に君の名前を加えてもらうしかないよ、そうしたらそれが住所証明になるしね。』
絶望…。
そんなことしてたら、時間かかりすぎるよ…。
もうLloydsで口座を作るのは諦めようとも思いましたが、この二人なら話が通じるかもしれないと食い下りました。笑
「でも、御行のウェブサイトで日本人ならパスポートとビザだけで口座を開設できると書いてあるんです。(携帯電話を見せながら)これです。」
するとお姉さんは、『あら、そんな決まりあった?』と(おいおいw)とPCで何かを確認しはじめました。
そして、『あなたの言う通り、日本人だと住所証明はいらないみたい!今日の16時に予約を取るからまた来てもらえる?』と。
お姉さんが天使に見えた。
気の強そうなお姉さんで一瞬ひるんだけど、私の置かれている状況でなんとか口座を開設できないか考えてくれたし、最終的にはGOサインも出してくれたし、人は見た目で判断するものではないなぁ...。
そして、自分で情報をチェックすることの大切さも思い知りました。
事前に銀行のウェブサイトを読んでいなかったら、食い下がることもできなかったですからね。
イギリス(というか海外全般)では、向こうから丁寧に色々教えてくれることはあまりありませんw
そもそも、パスポートとビザだけで口座開設云々って話は、お姉さんも知らなかったみたいですし。苦笑
その日は運よく子どものお迎え時間が17時半だったので、16時にPutneyの支店に足を運ぶことができました。(イギリスの銀行は17時まで開いているところが多いです。)
そこで私の銀行口座を開設してくれる担当者を紹介され、個室に案内され、どの種類の口座を開設したいか、overdraft(口座残高がない状態で支払いができる)をしたいかなど基本的なことを質問されます。
その後、申込書に個人情報を記入し、Lloydsのポリシー?に関する短いビデオを見せられて終了。
口座開設の予約さえ取り付ければ、あとは簡単。
いくつかわからない英単語もありましたが、担当者の方に「それってどういう意味?」と聞いたら優しく教えてくれました。笑
お金に関することですので、わかったふりをせず、わからなかったら素直に聞くことが大切です。
キャッシュカードはその場で発行されず、後日申込用紙に書いた住所まで送られてきます。
私の場合は2~3日だったかな、思ってるより早かったです。
ちなみに、イギリスの銀行のキャッシュカードにはデビット機能がついています。
また、£30以下の支払いにはコンタクトレス支払い(PINナンバーを入れなくても機械にタッチするだけで支払いを済ませられる)が適用されるのですが、これはコンタクトレス機能がついているクレジット・デビットカードに限ります。
コンタクトレス機能付きカードには、このマークがついています。
私の場合は、担当者の方が「コンタクトレス機能は必要ですか?」と聞いてくれたのでよかったのですが、友人の中にはわけがわからないまま手続きが進んでしまい、届いたカードにはコンタクトレス機能がついていなかったという子も何人かいました。
手続きの際には、「コンタクトレス機能を付けたい」ということを伝えた方がいいと思います。
※コンタクトレス機能はとても便利で個人的にはすごくおススメなのですが、紛失した際に簡単に悪用されてしまうというデメリットもありますので、必要かどうかはご自身でご判断ください。
イギリスの銀行口座開設は、そのときに対応してくれる行員次第というところがあります。
だから一度断られても日を改めてチャレンジする、別の支店に行ってみるとよいと思います。
こういう、運次第みたいなところが海外だなぁ…と思う。笑