Spice of Life

イギリスでイタリア人と暮らす日本人のブログ。

【アルバニア旅行】共産主義の名残をとどめる首都ティラナを一日観光。

2018年のイースター旅行、アルバニア&モンテネグロについていくつか記事を書こうと思います。

 

なんでアルバニア?って疑問に思われるかもしれないんですが、特に「ここに行きたい!」「これが見たい」という理由があったわけではなく。
ヨーロピアンに大人気のホリデー先ギリシャと国境を接しており、海を渡ればこれまだ大人気のイタリアという好立地ながら1991年まで鎖国をしていたとかで、アルバニアに関する情報がめちゃくちゃ少ないんですよ。

調べてもあまり情報がないぞ?これは自分で行ってみるしか?と。(好奇心に抗えないタイプ。)

 

『えー、アルバニアなんか何もないから』と乗り気でない夫(当時は恋人)に対し、「じゃあイースターは別々で。私はアルバニアに行く!」と言うほどに興味があった国です。(結局しぶしぶ同意した夫と二人で行きました。笑)

アルバニアの首都はティラナ。

なんとガトウィックからブリティシュエアウェイズの直行便がありました!(これにはちょっと驚いた。)

 

宿泊した宿を検索してみたのですがヒットせず。

ゲストハウスに泊まったのですが、もしかしたら経営をやめてしまったのかもしれません…。

ダブルルーム(個室、バストイレは共用)2泊で€35でした。安い。

 

ティラナといえばいまだに鮮明に覚えているのが、空港バスのおんぼろさ。笑

両替を終えて空港から出て市内行きのバスを見たときに思わず「え?これまだ動くん?」って言ってしまったくらいボロボロのバスでした。

 

まずはティラナ観光のメインともいえる国立博物館。

 

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アルバニアの歴史を描いた巨大な絵が目を引く。

 

www.mhk.gov.al

 

チケットの現在価格は400ALL(約£2.8)。

オンラインで事前購入もできるようですが、アルバニアの観光地に関してはその必要はないかなと。

観光客が少なくて誰一人として並んでいないので。笑

 

そうそう、アルバニアの通貨は「レク」なんですが、両替レートが1レク≒1円なので計算がめちゃくちゃしやすいです。

200レクって言われたら約200円、400レクは約400円というように。

 

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アルバニア最大の博物館というだけあり、3階建ての博物館内には貴重な展示物の数々が収められています。

イリュリア王国(古代ギリシャや古代ローマの時代に現在のアルバニアの場所に存在したと言われている国)から、つい数十年前の共産主義だった時代まて幅広い展示物をたった400円で見せてくれるとは驚きです…。

重要な展示物には英語の説明がありますが、アルバニア語オンリーのものも多くて理解できないのが残念でした。

 

館内は撮影禁止ですので、気になる方はぜひご自身の目でお確かめください。

 

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共産主義国に多いだだっ広い広場。ここだけ見ても(元)共産主義国なのは一目瞭然。

 

国立博物館の目の前にはスカンデルべグ広場。

オスマン帝国の支配に抵抗したアルバニアの英雄、スカンデルべグにちなんでつけられた名前だそうです。

 

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スカンデルべグの像が建っている。

 

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広場の隅に建っているのはエトヘムベウトモスク。共産主義の時代には使用を禁止されていた。

 

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広場を一通り見て回った後、スカンデルべグ広場のすぐ裏にあるBANK'ARTというミュージアムに行ってみました。

夫によると有名なミュージアムらしいです。(乗り気じゃないのに調べている夫と、行きたいと言ったくせに何も調べていない妻。笑)

 

bunkart.al

 

共産主義時代に核シェルターだった場所を改装したミュージアムで、共産主義時代のアルバニアのあれこれが展示されています。

アルバニア全土には核戦争に備えて70万以上のシェルターが作られたらしく、BUNK'ART2はそのうちの一つというわけです。

 

チケットは500ALL(約£3.5)、アルバニアの観光スポットどれもこれも安すぎるねんな。

1945年から1991年の間に共産主義の名のもと「粛清」された10万人以上のアルバニア人の歴史やその「粛清」を執り行ったSigurimi(秘密警察)決済の背景などが詰まっている博物館です。

目も当てられないほど残酷な事実を知ることになりますが、そういう歴史や事実こそ知るべきと思っている方にはぜひ足を運んでいただきたい場所です。

 

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Tanner's Bridgeに向かって歩いていると厳重な警備に守られた建物が。国会議事堂みたいです。

 

BUNK'ART2から10分ほど歩いてTanner's Bridge(日本語ではタバケ橋と呼ばれているよう)に到着。

18世紀のオスマン帝国時代に作られた橋ですが、今でも現役で使われています。

 

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看板も何もないので注意を払っていないと見落としてしまいそう。

 

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オシャレな通りやお店が多いティラナ。イタリアの雰囲気に似ていると思った。

 

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ちなみにアルバニアの公用語はアルバニア語なのですが、大半の場所でイタリア語が通じます。

共産主義時代にアドリア海を挟んで対岸のイタリアからテレビ電波を傍受してイタリアのテレビ番組を見ていた人が多いからなんですって。

それだけで流暢なイタリア語話せるのすごくない?

私、かれこれ10年は韓ドラ見続けていますが旅行会話くらいしかできません。笑

 

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ティラナには史跡や博物館はほとんどないので、観光は街歩きがメインになります。

続いて訪れたのは、ティラナのピラミッドと呼ばれている建物。

 

共産党の指導者だったエンヴェル・ホッジャが自分の功績をたたえる博物館を作ろうと建築家だった娘夫妻に設計を依頼。(自分の博物館作るってどういうこっちゃw)

共産主義崩壊後は展示会場に姿を変え、1999年のコソボ紛争の際にはNATOの本拠地にもなったようですが現在は廃墟となっており、なんとなく危険な香りがします。

 

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こういう形の建物も共産主義国家でしか見られないと思う。シェアバイクのステーションがあるのは今どき。

 

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大統領府。もともとはソ連の大使館として設計されたそう。

 

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その先にはマザーテレサ広場があります。

マザーテレサは北マケドニアのスコピエ出身ですが、アルバニアの血も入っているらしく彼女はアルバニア人の誇りなのです。

 

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ティラナの中心地は一通り見てまわりましたし、そろそろお腹が空いてきたのでレストランが多く集まるBlloku地区でディナーの場所を探すことに。

 

雰囲気がよさそうでお客さんもたくさん入っていたこちらのレストランで食べることにしました。

 

era.al

  

 

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アルバニアのビールありますか?って聞いたらあった。ティラナビール。

 

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ズッキーニのヨーグルトソースがけ。ギリシャ料理でもこういうのあった気がする。

 

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Fergeseと呼ばれるアルバニア料理。野菜の上にチーズをのせて焼いたもの。(説明がざっくりすぎる件w気になる方は調べてね。)

 

場所が場所だけに観光客が多いのか英語のメニューもあって、店員さんたちも英語を話してくれて、料理もおいしかったのでおススメできるレストランです。

アルバニアは物価が安いので、£15~20もあれば二人でお腹いっぱい食べられると思います。

アルバニアには丸2日滞在したのですが、観光地への入場料、交通費、食費全て含めて一人あたり£40くらいしか使いませんでした。(宿泊費は別。)

 

ティラナ観光は丸一日あれば十分かなと思います。

やはりギリシャやイタリアに比べると見どころは少ないのでね…。

翌日はバスに乗って日帰りベラト旅です。