【スペイン旅行】コルドバ:イスラム教とキリスト教が共存する不思議な空間、メスキータ。
3日間のセビリア滞在を楽しんだ後はコルドバへ移動。
セビリアからコルドバは電車で45分ほど。
夫には『日程がタイトになるしコルドバは行かなくてもいいんじゃない?』と言われたのですが、私が「どうしても行きたい!」と言って1泊だけ滞在することになりました。
コルドバに行きたかった理由はただ一つ、メスキータ。
同じ空間にイスラム教徒とキリスト教が共存する、世界的にも珍しい場所です。
メスキータは後ウマイヤ朝時代にモスクとして建設が始まり、歴代カリフによって増築が繰り返されてきました。
しかし13世紀にレコンキスタによってコルドバが奪還された後は内部に礼拝堂が作られたり聖堂が増築されるなどして、キリスト教徒の祈りの場として使われるようになります。
普通このように異教徒が権力を握った場合は元あった宗教施設は破壊されてしまうのだそうですが、メスキータはもとのモスクが破壊されることなく残されているという点で世界的に価値が高いのだそうです。
10時にコルドバへ到着し、真っ先にメスキータへ。
到着するとそこに見えるのは長蛇の列、焦る。
なにせコルドバに滞在できるのはこの日一日のみ、入場を逃すともうチャンスはないのです。
列に並び始めること5分、チケット窓口の横に自動券売機があることに気付きました。
なぜか券売機には全く列がなく、すんなりチケットを購入することができました。
なぜみんな頑なに有人窓口に並ぶのか謎ですが私たちにとってはラッキー。
入場料は€10(現在は€11に値上げされているようです)。
チケット窓口の横にオーディオガイドの貸し出し窓口もありますので、必要な人はそちらで借りるのをお忘れなく。(確か日本語はなかったと思います。)
オーディオガイドを借りる際には身分証を預ける必要がありますので、準備しておくとよいでしょう。
入場してすぐこの光景、赤と白のアーチが何だかかわいい。
聖ビセンテ教会(モスクが建築される前にこの場所にあった教会)の考古学遺跡。とても綺麗な状態で残っていることに驚く。
王室礼拝堂。エンリケ2世が歴代の王を埋葬するために建設を命じたもの。アーチ型の天井が見事。
増築された部分、花や葉の装飾が見られ従来のものにくらべ豪華な造りとなっている。
ミフラーブ。祈りを捧げる方向(メッカ)を示している。
ミフラーブ上部にある豪華なドーム型天井。
窓から光が差し込んで黄金のミフラーブがさらに輝いて見える。
レコンキスタ後に増築された翼廊。突如として教会が現れるのでなんとも不思議な気分になる。(一度外に出る必要などなく、モスクと教会が同じ建物の中に一続きになっている。)
聖歌隊席。見事な彫刻。
追加で数ユーロ払うとこちらの塔にも登ることができるみたいです。
これまで見てきたどんな場所よりも異質な場所、それがメスキータでした。
見学した後の満足感が高く、その日ずっと感動を反芻しておりました。
アンダルシア地方に行かれる際にはぜひコルドバにも立ち寄って、歴史的にも大変価値のあるメスキータでその歴史、美しさ、そして異質さを感じていただきたいです。