Spice of Life

イギリスでイタリア人と暮らす日本人のブログ。

【イラン旅行】シラーズ:バキルバスハウスとバキルモスクを一気に見学。一日の締めくくりはアリー・イブン・ハムザ聖廟。

休む暇もなくガイドがあれこれ色んな場所へ連れて行ってくれます。

運転手がいるのはやはり強い。

 

続いての目的地はバキルバスハウス。

ザンド朝時代に建てられた公衆浴場です。


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一面に神話や宗教的な物語が描かれているのが特徴。当時の様子を再現するために人形も置かれている。

 

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天井や壁に描かれた絵を湿気から守るために石灰が使用されていた。

 

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八角形の天井。

 

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公衆浴場に描く絵とは思えないほど細かい装飾。

 

まだまだ一日は終わりません。

シラーズは本当に見どころが多い、多すぎる。

 

バキルバスハウスのすぐ隣にあるバキルモスク。

お?バキル?公衆浴場と同じ名前じゃない?と。

ザンド朝時代の王がモスク、公衆浴場、バザールなど生活に必要な施設を集め、現在でいう複合施設のようなものを作ったんだそう。

 

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イランのモスクでよく見かける蜂の巣状の凸凹ドーム。ムカルナス装飾と呼ばれるらしい。

 

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エイワーン(イスラム建築によくある三方が壁に囲まれたドーム型の空間)には7色が使われているそう。使いすぎな気がするけどゴチャゴチャしてないのがイラン建築のすごいところ。

 

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ザンド朝建築の傑作ともいわれているミンバル(説教壇)。

 

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美しいアーチが立ち並ぶ。日陰になっていてホッと一息つける場所でもある。

 

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写真を撮っていたら傍にいたおじいちゃんが「写真を撮ってくれ」とポーズを決めてくれたw撮った写真を欲しいと言われるわけでもなく…俺の写真持っといてくれよ!ってことかな?笑

バキルモスクのすぐ近くにはバザールもあります。

バキルバザールと呼ばれ、先ほど話した複合施設の一部です。

テヘランのバザールよりは観光客向けな気がしました。

 

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絨毯屋がめっちゃ多い。今考えたら一枚くらい買って帰ればよかったな。でも我が家のインテリアには合わなさすぎるか…。

 

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バザール内でこの辺の名物らしいアイスクリームを食べました。

この辺りの名物らしいです。

アイスクリームというよりはかき氷っぽい?

 

ココナッツっぽく見えますがココナッツではありません。

何味なのかはよくわかりませんでしたが、甘さ控えめで飲むように食べられました。笑

 

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バザールの中庭らしきところ。

 

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アイスクリームを食べてクールダウンをしましたので、この日最後の目的地のAli Ibn Hamza Holy Shrineへ向かいます。

日本語ではアリー・イブン・ハムザ聖廟と言えばいいのでしょうか、なにせ日本語の情報がほとんどないのでよく何と呼べばいいのかかわりません。

 

本当はシャーチェラーグ廟に行きたいとガイドに伝えたのですが、「それよりももっといい場所があるから!」と連れて行かれた(言い方w)のがここ。

 

アリー・イブン・ハムザはアッバース朝の迫害から逃れてシラーズにたどり着き、洞窟の中で隠れて暮らしていたんだとか。

生活費を稼ぐために市場で木材を売っていたところを兵士に気付かれ、斬首されます。

彼の頭はイラクのバグダッドへ送られたが、体はイランに残されたまま。

アリー・イブン・ハムザの体が埋まっている場所にこの聖廟が建てられたようです。

 

アッバース朝はスンニ派、アリー・イブン・ハムザはシーア派なので迫害されてシーア派のイランに逃れてきたことは理解できるんですね。

でもそれならなぜシーア派のイランの王に斬首されてしまうのでしょう?

アリー・イブン・ハムザはシーア派とはいいつつ従来とは異なる教理を説いて分派しようとしていたようなので、結果的にシーア派からも疎まれてしまったということなのでしょうか。

でも聖廟を建てるということは疎まれてるわけでもなさそう?

この辺、詳しい方がいらっしゃいましたら是非教えてください。

 

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見た目はごくごく普通のモスク。

 

観光客らしき人が全然いなくて中に入るのをためらっていたら、ガイドさんが「気にせず入って大丈夫」と。

受付に座っていた女性が案内してくれ、お茶とお茶菓子まで出してくれました。

パンフレットとかポストカードとか自由に持って帰ってね、写真も好きなだけ撮ってねってめちゃくちゃ優しかったです。


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 ひぇー。これまでにないキラキラ具合。


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お祈りしている人もいたので邪魔にならないように見学。このような場所を観光客にも快く開放してくれて本当にありがたいなぁ…。

 
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グリーン大好きマンをうならせるほどの緑。


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上から下まで緑。

 

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シャーチェラーグ廟に行っていないので比較はできませんが、こちらは観光客も少なく(というかほとんどいない)、ゆっくり見学したい方にはよいかと思います。

ここで出会った人たちはみんな英語が流暢で、あれこれ話もしてくれて楽しかったです。

ロンドンに留学していたという聖職者の男性もいらっしゃいました。

 

そうそう、このアリー・イブン・ハムザ聖廟を見学するにはチャドル(貸してもらえます)の着用が必須ですのでご留意ください。

 

これにてシラーズ一日目が終了。

一日一日がめちゃくちゃ濃い。

翌日はにはペルセポリス見学が控えておりましたので、ウキウキしながら就寝。

【イラン旅行】シラーズ:カリムハーン要塞、貴族の元邸宅カヴァムハウス、そしてハーフェズ廟。

テヘランからシラーズへは空路だったわけですが、インターネットで調べてみると「イランはアメリカから経済制裁を受けており新しい飛行機や部品を調達できない。そのため古い機体を使いまわしており安全性には疑問あり。」といった情報がわんさか出てくるんですよ。(真偽は不明。)

正直かなり不安でしたがシラーズへ行くには飛行機に乗るしかない(電車でも行けるが15時間くらいかかるらしい…)、シラーズに行きたい欲が勝りまして意を決して搭乗。

万が一のために外務省の旅レジ登録もしっかり済ませておきました。

 

離陸後しばらくドキドキでしたが、機内食が配られたことにより緊張がほぐれました。

「ラマダンやのに食事するんかーいw」って。

機内は満席、私の見た限りでは機内食を断っている人はいませんでした。

誰も見てないからOKってこと?空の上は治外法権なのか?この辺のルールがわかりませんが、自分のは知らない世界を垣間見た気がして面白かったですね。

 

約1時間半のフライトを終えて無事にシラーズに到着。ホッ。

迎えの車に乗ってまずはホテルへ行きチェックイン。

 

シラーズで宿泊したのはこちら。

 

arg-hotel.com

 

イラン旅行中に宿泊した中では一番よいホテルでした。

ラマダン中で他に食事できる場所も限られているので、ホテル内のレストランにも大変お世話になりました。

 

ホテルでシラーズを案内してくれるガイド(夫婦でガイド&運転手をやっている方々でした!)と落ち合ってまず訪れたのはカリムハーン要塞。

 

カリムハーン要塞は1697年のザンド朝時代に王の住居として建設されました。

要塞という名前なのにね…。

パフラヴィー朝時代には監獄として使用されていたそうです。

 

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テラスがある。こう見るとテヘランのゴレスタン宮殿と構造がよく似ている。

 

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建設当時のオリジナルが残っている場所もある。まだかなりしっかり色がついている。

 

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水路は完全に干上がってしまっている。イランの庭園は中心に水路が走っていて左右対称というスタイルが本当に多い。そういえばアルハンブラ宮殿もこのスタイルだった。

 

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修復を重ねて観光客向けにキラキラしている場所よりも、こういう手つかずっぽい感じの場所の方が好きだったりする。(ちゃんと保全はしているんだろうけども。)


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ステンドグラスが一際目を引く。

 

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四隅にあるタワー内にはそれぞれ二部屋が設けられており、一部屋は兵士が休憩する場所、もう一部屋は武器を保管する場所として使われていたそう。

 

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四方は12mの壁に囲まれている。

 

続きましてはシラーズの貴族、カヴァム一族の元邸宅であるカヴァムハウスへ。

19世紀後半にカヴァム家の住居兼オフィスとして建てられ、貴族の社交の場でもあったんだとか。

オレンジの木がたくさん植えられていることからオランジェリー(オレンジ庭園)とも呼ばれています。

 
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またしても出ました、水路。こちらも水は流れておりませんが花が植えられており見た目がよい。

 

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使用人は男性でもスカートを着用していた。

 

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このようなスタイルをペルシャ庭園と呼ぶらしい。

 

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この二頭のライオンはシーサー的な役割なんだろうか?ライオンはいいとして、天使はOKなのか?


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テラスを中心に左右対称の作りになっているのがカヴァムハウスの特徴。


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当時使われていた家具もある。こういう柄の家具、祖父母の家に昔あった気がする。笑


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 昔の洋館のような雰囲気。神戸にありそう。

 

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カージャール朝時代によく見られた漆喰壁。天井は木製。

 
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鏡の間。鏡が高級品だった時代はこのような部屋を作ることが権力の象徴になったんだろうか?


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この花が顔みたいに見えるって教えてもらった。写真はピンボケw


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ヨーロッパだと貴族の邸宅?どうぜどこも同じようなもんでしょとスキップしがちなのですが、イランでは何もかもか新鮮で興味深く見学しました。

カヴァムハウスは庭園いっぱいに花が植えられているので散歩するのも楽しいです。(めちゃくちゃ暑いけど…。)

時期によって植えられている花が違うので、季節の花にも注目です。

 

そこからハーフェズ廟へ。

イランの詩人、ハーフェズが眠っている場所です。

イラン人なら誰もが家にコーランとハーフェズの本を必ず持っていると言われているほど、国民に愛されている詩人ハーフェズはシラーズ出身なのです。


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ドーム型の廟が最初に建てられたのはハーフェズの死後65年経ってからのこと。現在のものは1935年に建てられた。

 

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地元の人(と思われる人々)もたくさん見かけた。ハーフェズが本当にイランの人々に愛されているのがわかる。

 

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カラフルなドーム内部。多色使いなのに上手くまとまっていて綺麗。

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こんなに綺麗なお墓を建てるなんて、イランの人たちの愛を感じます。

敷地内を散歩している家族連れや友達グループもたくさんいて、シラーズの人たちの日常の一部になっているんだなと思うと心が温かくなりました。

一見地味に見えるハーフェズ廟ですが、シラーズの必見スポットです。(というか全て必見、どこもかしこも素敵すぎて選べない…。)

 

【イラン旅行】テヘラン:街のシンボル、アザディタワー。

イラン2日目。

テヘランに到着してまだ24時間ほどしか経過しておりませんが、午前中のフライトでシラーズへ移動します。

 

朝食後、迎えの車が来るまでまだ少し時間があったので夫が行きたいと言っていた、アザディタワーを見に行くことにしました。(夫と私はとことん趣味が違う。)

ホテルでタクシーを呼んでもらい、15分ほどの乗車で到着。

 

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アザディタワーはペルシャ帝国の建国2500年(すごい…!)を記念して建設されることになり、1971年に完成。

当初は皇帝モハンマド・レザー・パフラヴィーを称えてシャヤドタワー(シャヤド=シャーの記念)という名がつけられましたが、後に現在のアザディタワー(アザディ=自由)という名に変わりました。

 

毎年、革命記念日(1979年のイラン革命の記念日)にはタワー前の広場で軍事パレードなどのイベントが行われるそうです。

 

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上階は展望台になっており、地下には博物館があります。

博物館にはキュロスシリンダー(世界最古の人権憲章と言われている)のレプリカが展示されているらしいのですが、本物は?と思って調べてみるとなんと大英博物館にあるらしいです。

さすが大英帝国様ですね…。

大英博物館がリオープンしたら見に行きたいと思います。

 

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編み目のような模様。

 

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ターコイズのような色が素敵。タワー系の建築物って近くで見るとがっかりなパターンが多いけど、アザディタワーは近くで見ても綺麗だと思った。

 

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フォトスポットを発見。まだ午前8時半なのにもう汗だく。イランの太陽、恐るべし。

 

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セルフィーを撮影している銅像がある。現代的すぎるやろ。笑

 

行きに乗せてくれたタクシーのおっちゃんが、「写真撮ってまわるだけなら待っとくよ」と行ってくれたので同じタクシーでホテルへ戻りました。

アザディタワーの周辺は交通量が多いロータリーになっておりタクシーを捕まえるのが難しいかもしれないので、写真を撮りたいだけなら運転手に待っていてもらうとよいかと思います。

地下鉄を利用される場合は近くにメトロの駅があります。

 

テヘランの名所を駆け足でまわり、次に目指すはシラーズ。

イランの国内線飛行機は危ないという話を色々なところで目にしたので、無事にたどりつけるのかドキドキ、少し心配です…。

 

【イラン旅行】テヘラン:Reza Grand Bazzarを散策、テヘランの新スポットタビアト大橋へ。

ゴレスタン宮殿の裏側、徒歩3分くらいの場所にReza Great Bazzarという大きなバザールがあります。

服飾品から貴金属、食べ物まで何でも揃うバザールです。

ローカル向けのバザールなので観光客が買うお土産のようなものは少ないかなと思いますが、雰囲気だけ見に行くのも楽しいです。

 

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これはラマダンの断食後に食べるお菓子。一つ買って食べたみたけどめちゃくちゃ甘かった。砂糖の塊、みたいな。

 

そう、2018年5月末、私たちはがイランを訪れていた時期はまさかのラマダン。

そんなこと全然頭になくて(ムスリムの同僚もいたのでラマダンの存在はもちろん知っていた)、旅行の1週間ほど前に「え?もしかしてラマダン時期に被ってる?」と。

 

ご飯食べられないんじゃ…?と焦ったけど、ラマダンでも開いているお店はあり一安心。

ムスリムではない観光客は断食をする必要はないのですが、日の出から日没(すなわち観光している時間)は人目につく場所での食事はできません。

車の陰に隠れて食事している地元の人たちもいましたが、私たちにそんな勇気はもちろんなく。笑

 

そもそも日中は閉まっているレストランが多かったです。

開いているのは持ち帰り専門店や観光客向けのホテルのレストランなど。

私たちはガイドがラマダン時期でも開いているレストランを知っていたので食事には特に困りませんでしたが、個人旅行だと大変だったかも…と思います。

 

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イランには各地にこのようなバザールがある。

 

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どこのバザールにもこういうドーム型天井があった気がする。

 

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バザールの中に入ると暑さをしのげて助かった。なんとなく大阪の船場みたいな雰囲気がある。笑

 

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ラマダンに関する食材が多い。

 

バザールで地元の人たちの熱気を感じた後は、少し長めの移動。

タクシーに30分ほど乗って、テヘランの新スポットであるタピアト大橋へ。

 

2014年に完成したイラン最長の歩道橋で、その周辺には大きな公園があります。

観光客よりは地元の人が多かった印象です。

 

写真が全然ないので、興味のある方はこちらをご覧ください。

 

www.dezeen.com

 

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橋の上から見たテヘランの風景。日本人がイメージしているよりずっとずっと都会。

 

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タビアト大橋を渡った後に見える小さなモスク。イギリスではそこかしこに教会がありますが、イランの場合はモスク。

 

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タビアト大橋の近くにはIslamic Revolution & Holy Defence Museumという、イランイラク戦争に焦点を当てた博物館があります。

私は興味があったのですが、時間がなかったので行けず。無念。

 

ホテルへ帰る前にガイドがTeheran's Book Gaardenという巨大な書店へ連れて行ってくれました。

こちらもタビアト大橋のすぐ近くにあります。

 

www.itto.org

 

本はもちろんペルシャ語なので読めませんが、本や本屋が好きな人はワクワクする空間だと思います。

読めないとしてもお土産にカバーの綺麗な本を買っておけばよかったかなと、今になって少し後悔。

 

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 上階にはアートギャラリーのような場所もあります。

 

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到着日とは思えないほど、一日で色んな場所をまわりました。

これもガイドがいるからこそできることだと思います。

個人旅行だと自由はありますが時間ロスも多いので。一長一短ですね。

 

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夕食はReza Grand Bazzarでガイドに「ここ美味しいよ!」と教えてもらったお店で購入したものをホテルで食べました。

名前は全然覚えてないのですが、どちらも美味しかったです。

前々から思ってはいましたが、ペルシャ料理は日本人の口に合うと思います。

 

多少の時差ボケもあり、この日は食後の眠気に耐え切れずすぐに就寝しました。

【イラン旅行】テヘラン:宝の山イラン国立博物館とテヘランの中心ゴレスタン宮殿。

ロシアに続きまして、次は2018年5月に行ったイランのことをあれこれ書こうと思います。

テヘラン、シラーズ、イスファハーン、カシャーンを8泊9日という短期間で駆け抜けました。

見どころが多すぎて記事が多くなると思うのですが、イランに興味のある方はお付き合いください。

 

そもそもなぜイランに行こうと思ったのか。

これまた高校時代に遡るのですが、世界史の資料集で見たペルシャ建築や美術がそれはもう美しく、生きている間に一度は行きたいと願っておりました。

あとはカナダ留学時代にイラン人の友人ができまして、彼らの母国が気になったというのも理由の一つです。

夫は『えー、イラン?行って何するん?』と渋っていたのですが、ゴリ押ししてイラン旅行を計画するに至りました。

 

まずイランに行くにはビザと海外旅行保険(現地の空港で加入)が必要です。

ビザあれこれに関しては調べればたくさん出てくると思いますので私のブログでは割愛します。

 

ちなみに、イランへ入国するとアメリカやイスラエルへの渡航が難しくなりますので、イランの「敵対国」に行かれることが多い方は事前にきちんと考えておいた方が良いです。

イランへの入国経験のある私が今アメリカに行くにはビザ免除プログラム(パスポートとESTAのみで渡米すること)は利用できず、アメリカ大使館まで観光ビザ取得のために面接に行く必要があります。

 

イラン旅行の際に利用したエージェントについては以前記事にしておりますので、そちらをご覧ください。

oliamemo-uk.hatenablog.com

 

当初私たちは個人旅行を計画していたのですが、あまりにも情報が少なく英語でホテルを検索してもヒット数がかなり少なかったのでそれならばエージェントにまかせてしまえという結論に至りました。

 

往路はヒースローからテヘランへ。

ブリティッシュエアウェイズの直行便です。

CAが全員おじさまで驚く。(CA全員が50〜60代の男性ってなかなかないですよね?)

 

フライト中は自由ですが、テヘラン空港に降り立つときに女性は頭を何かでカバーする必要があります。

ヒジャブである必要はなく、スカーフで大丈夫です。

また女性がお尻を見せるのはよくないと思われているらしいので、腰全体をカバーできるような丈の長めの服を着用してください。

 

空港到着後、事前に申請していたにも関わらずビザ発給に1時間かかり、さらにイミグレーションのシステムダウンより入国審査カウンターでさらに2時間待たされる。

イライラが募る中ふと横を見るとアジア人男性二人組が手錠をかけられている...なんじゃこの国と思いましたよ正直。笑

 

やっとの思いで入国。

幸い空港に迎えが来ておりましたのでホテルまでの道で少し休むことができました。

朝6時半にランディングしてホテルに着いたの11時過ぎ...。

 

テヘランで宿泊したホテルはこちら。


www.iranhotels.com

 

普通の観光ホテルといった感じで特に不便はありませんでした。

朝食も美味しかったです。 

 

ホテルでローカルガイドと落ち合って、まず向かったのはイラン国立博物館(考古学博物館)。

多数の考古学コレクションを有しており、イランで最大規模の博物館です。


イランではガイドが私たちのチケットをまとめて購入し最後にまとめて清算するようにしていたため、一つ一つの観光地の入場料は覚えていません。

そのためチケット料金に関する情報は割愛します。

 

そうそう、イランでは外国発行のクレジットカードが使えないので現金を用意する必要があります。

私たちが行ったときはアメリカがイランに経済制裁を課しているのが理由で(本当の理由はわかりませんがガイドにはそう言われた)街中の両替商が閉まっており、ホテルで闇両替みたいなことをしました…。

 

イギリスポンドでも両替してもらえましたが、USドルが流通しているようですのでドル(またはユーロ)にを持っていくのが良いと思います。

空港のビザカウンターはドルかユーロしか受け取ってもらえません。

 

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博物館のエントランス。大きな荷物はこのエントランスの横で預ける必要がある。

 

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ペルセポリスで発見されたレリーフ。ダレイオス1世への謁見の儀式を描いている。保存状態がよすぎて驚く。これは間違いなくすごいお宝。

 

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こちらもペルセポリスより。貢物を持って王に謁見する属国の人々たちの様子が描かれている。紀元前にこのような彫刻を創る技術があったことにただただ驚く。

 

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各国の服装の特徴や献上品などをイラストで表している。

 

写真はあまり撮らなかったのですが、とにかく考古学的お宝の山です。

端から端までじっくり見て回ると所要時間は2時間くらいでしょうか。

ヨーロッパの博物館のようにあれこれ説明書きがあるわけではないので、ガイドを雇って行くのがよいかなと思います。

 

国立博物館からタクシーで次の目的地へ。(移動手段は全てガイドまかせ。)

タクシーに乗る前にガイドが「見せたい場所がある」と。 

 

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カージャール朝時代にドイツ人の協力で建てられた門。テヘランを象徴する建築物の一つ。

 

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これは確か外務省だった気がする。

 

タクシーで5分ほどの距離にある次の目的地、国立宝石博物館。

 

www.cbi.ir

 

国立銀行の地下にあるお宝ザックザクの博物館。

ガイドによるとテヘランに来たらまずこれを見ないといけないと。

建物が地味すぎて、事前情報なしではここに宝石博物館があるとはなかなか気付かない場所にあります。

 

厳重なセキュリティチェックがあり、博物館内ではカメラはもちろん手荷物も携帯電話もすべて預けなければいけません。(なので写真が一枚もない。)

そんな厳重な警備の中どんなお宝が眠っているのかと気になったら、ぜひご自身で訪れてみてください。

ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、エメラルド…宝石の輝きで部屋が明るく感じるほどでした。

 

時間が限られておりますのでどんどんと観光していきます。

続いては宝石博物館からまたしてもタクシーで5分ほどの場所にあるゴレスタン宮殿。

アフシャール朝滅亡後、混乱するイランを統一したカージャール朝が首都をテヘランに移し、建設した宮殿です。

テヘランが首都になったのって歴史上だと結構最近なんですよね。(それを言うと東京が首都になったのも最近か。)

 

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一部修復中でした。


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イランの建築物って色使いにセンスがある。

 
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 敷地内に入ると一番に目にするテラス。キラキラ。というよりギラギラ。

 

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大理石で作られた玉座。戴冠式などの儀式用。人が玉座を支えているデザインなのがヨーロッパ諸国との違いを感じる。

 

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こういうデザインや色使いはアラブって感じがする。

 

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 中庭。かわいい。室内のギラギラ具合とのギャップがすごい。

 

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イスラム教は偶像禁止なのでアートも風景画や幾何学文様みたいなのが多いのだが、こういうアートはOKなのか?

 

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宮殿の中心部に入る。入口からギラギラ。

 

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謁見の間。文字通り皇帝に謁見する場所。各国からイラン皇帝への贈答品が展示されている。この部屋は上品さがあって好き。

 

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鏡の間。各国大使や使節団を迎え入れる場。日本から来てここに通されたらビックリするやろうな。笑

 

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輝きの間。その名の通り輝いております。ここでリラックスできるんやろか?というのが最大の疑問w

 

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テラス。このテラスに先ほどの玉座が鎮座している。両脇にある塔は建設当時、テヘランで最も高い建築物だったらしい。

 

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こういうデザイン好き。アラブのデザインかわいいなと思うが、実際に家に取り入れたら浮きそうなのでできない。笑

 

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暑すぎてこの後宮殿内のカフェで一休み。

女性は肌を露出してはいけないので、暑くてもタンクトップやキャミソールで過ごすというわけにはいかないんですよね。

長袖でなくとも七分袖くらいなら大丈夫なんですけれども、30℃超だとそれでも暑いので…。

 

休憩して汗が少し引いたところで、ゴレスタン宮殿の近くにあるバザールに連れて行ってもらいます。

【ロシア旅行】モスクワ:トレチャコフ美術館でロシア美術の傑作の数々を鑑賞。

ロシア旅行最終日。

といっても15時のフライトですので実質午前中しか自由時間がありません。

 

最後にどこに行こうかと考え、時間があったら行きたい場所リストに入っていたトレチャコフ美術館に行くことにしました。

 

www.tretyakovgallery.ru

 

口コミや旅ブログを見ると、チケット購入にかなり並ぶよう。

開館時間が10時、11時半には美術館を出て空港に向かう必要があるので開館と同時に入場するしかありません。

ということで、開館時間より前に美術館へ行き入場まで待つことに。

 

9時半ごろ到着するとすでに20人くらいが入口の前で待っていました。

このくらいなら10時15分くらいには入館できるかな?と思いつつ、ロシアのチケットさばきの効率の悪さを知っているので不安もあります。

 

あと、ロシア(サンクトペテルブルクとモスクワしか行ってないけど)って割り込みがめちゃくちゃ多い。

携帯見ながらシレッと列に割り込んでくる。イラッ。

「私たち並んでたんですけど?」と言っても、英語わからない云々言われて無視される。は??

これからロシアに行かれる方、ロシア語の挨拶の他に「私たちが先です」「割り込まないでください」という言葉も覚えて行かれた方がよいかなと思います。(割り込んでくるのがロシア人とは限らないが英語わからないと言われたらロシア語で言うしか。)


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トレチャコフ氏の銅像。ロシア旅は天気に恵まれた。この日も快晴。

 

トレチャコフ美術館はトレチャコフ兄弟が自宅に開いたアートギャラリーが起源。

ロシアの芸術家の作品を中心に買い集め、今ではロシアを代表する近代アート美術館です。

 

この日も当たり前かのように割り込みされましたが(もはや驚かない)、早めに行った甲斐もあってか予想通り10時15分頃にはチケットを購入することができました。

チケットは一枚500RUB(約£4.8)。

 

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アレクサンドル・アンドレイェヴィッチ・イワノフ「民衆の前に現れたキリスト」。イワノフはこの絵によって評価を得た。彼の他の作品のほとんどはサンクトペテルブルクにある。

 

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クレムリンの絵。

 

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イヴァン・シーシキン「松林の朝」。風景画を得意とし、ロシアの森林を多数描写している。

 

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戦場をテーマにした絵を多く描いた、ヴェレシチャーギンの作品。

 

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移動派(官立芸術アカデミーの古典的な規制に反対した画家たち)の代表、イリヤ・レーピンの作品も展示されている。

 

時間が限られておりかなり駆け足で鑑賞したので一つ一つの作品をじっくり見る余裕がなかったのが残念ですが、それでも最終日の限られた時間をトレチャコフ美術館に充てたのはよい選択だったなと思います。

ロシア美術をこれほどまでにコレクションしている美術館は、世界中を見ても少ないと思いますので。

 

20世紀のロシア美術を中心に展示しているトレチャコフ美術館新館もありますので、お時間のある方はそちらにも行かれてみるとよいかと思います。

 

これにてロシア4泊5日の旅は終了。

サンクトペテルブルク、モスクワでの観光はとっても楽しかったのですが、精神的にはちょっとしんどかったです。

割り込みだったり店員の態度だったりが、日本やイギリスに慣れている私のスタンダートとは違ったのでそこが疲れる原因になったかと。

まぁそれも含めて旅行なんですけどね。

 

余談ですが、ブリュッセル経由でロンドンに帰国したんですよね。

ブリュッセルの空港でムール貝を食べようと思っていたのにムール貝を提供しているレストランがなく、ピザとフレンチフライしか食べられなかったのが悲しかったです…。

チョコレートは買えたので収穫はあったかな。

 

【ロシア旅行】モスクワ:ソ連時代の名残を感じる全ロシア博覧センター。

クレムリンと赤の広場周辺の観光を終え、さて次は何をしようかとあれこれ調べてみた私たち夫婦。(絶対行きたい場所以外は計画なしで適当に見てまわる旅スタイル。)

聖堂や教会はもういっぱい見たし、博物館もいいけどちょっと変わった場所に行きたいなということで、夫が提案してきた全ロシア博覧センターへ行くことにしました。

 

vdnh.ru

 

もともとは1939年に農業博覧会場として建設され、第二次世界大戦後の1959年にソ連経済博覧会のために再開発が進められた場所。

ソ連を構成する各国のパビリオンが作られソ連の経済力を示す場として使用されてきましたが、ソ連崩壊後の1992年には名を現在の全ロシア博覧センターに変更。

現在はショッピングモールやレストランなどがあり、市民が気軽に立ち寄れる場所になっているようです。

 

全ロシア博覧センター(VDNKhとも呼ばれる)は前日に訪れた宇宙飛行士記念博物館のすぐ近くにあり(そのときは気付かなかった)、赤の広場からは地下鉄で30分ほどです。

公園、というか広場のような場所で、誰でも自由に出入りできるので入場料は必要ありません。

 

実はこの場所こそが私がロシアに求めていた場所、という気がしました。

これまで訪れた場所ももちろん素晴らしかったのですが、ロシアに行った理由の一つには共産主義、ソ連時代の名残を見てみたいという気持ちがあったので。

 

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入口からすでに共産主義の匂いがプンプン。

 

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敷地内で流れる音楽もコミュニズムを前面に押し出している。私のような観光客を狙ったパフォーマンスなんかな?笑

 

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レーニンの銅像。昔はスターリンの銅像もあったよう。

 

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こういう左右対称なところもね、うん。

 

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この噴水が有名。噴水の周りに16体の女性の像が立っており、それぞれがソ連の構成国を表している。

 

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Yak-42というロシアが開発したジェット旅客機。

 

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宇宙パビリオン。その時々によって展示会が催されることがあるみたい。私たちが行ったときには何もなかった。

 

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宇宙パビリオンの前にはボストークの模型が飾られている。

 

ここに行きたい方は宇宙飛行士記念博物館のついでに行くのが時間のロスも少なくてよいと思います。

散歩するもよし展示物を見るのもよし、疲れたら敷地内にあるカフェやベンチで休憩もできます。

ロシアスタイルのドーナツ屋さんもありましたよ。

 

個人的にはモスクワでおススメのスポット。

私のように共産主義の名残を感じたい方には激推し。

 

この全ロシア博覧センター内を歩いているときに、前日アルバート通りで行ったのと同じレストランの看板を発見。

「あー!あのピエロギレストランやん!」って。笑

レストランをとっても気に入ったのと、お腹もちょうど空いていたのでそこでディナーを食べることに決定。

 

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揚げピエロギ。

 

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焼きピエロギ。

 

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出ました、壺w

 

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なんてことない普通のサラダ。

 

varenichnaya.ru

 

 

場所のせいもあってかアルバート通りよりこちらの方が人が少なく、席も選びたい放題。

屋根付きテラス席もありましたので、天気がよいときはそこ外に座るのもアリですね。

朝からクレムリンに行って午後一番で宇宙飛行士記念博物館、そのまま全ロシア博覧センターをブラブラしつつドーナツを食べて、ディナーにピエロギというのが最高なコースな気がします。

モスクワ観光される際に参考にしていただければ幸いです。