Spice of Life

イギリスでイタリア人と暮らす日本人のブログ。

【イラン旅行】シラーズ:カリムハーン要塞、貴族の元邸宅カヴァムハウス、そしてハーフェズ廟。

テヘランからシラーズへは空路だったわけですが、インターネットで調べてみると「イランはアメリカから経済制裁を受けており新しい飛行機や部品を調達できない。そのため古い機体を使いまわしており安全性には疑問あり。」といった情報がわんさか出てくるんですよ。(真偽は不明。)

正直かなり不安でしたがシラーズへ行くには飛行機に乗るしかない(電車でも行けるが15時間くらいかかるらしい…)、シラーズに行きたい欲が勝りまして意を決して搭乗。

万が一のために外務省の旅レジ登録もしっかり済ませておきました。

 

離陸後しばらくドキドキでしたが、機内食が配られたことにより緊張がほぐれました。

「ラマダンやのに食事するんかーいw」って。

機内は満席、私の見た限りでは機内食を断っている人はいませんでした。

誰も見てないからOKってこと?空の上は治外法権なのか?この辺のルールがわかりませんが、自分のは知らない世界を垣間見た気がして面白かったですね。

 

約1時間半のフライトを終えて無事にシラーズに到着。ホッ。

迎えの車に乗ってまずはホテルへ行きチェックイン。

 

シラーズで宿泊したのはこちら。

 

arg-hotel.com

 

イラン旅行中に宿泊した中では一番よいホテルでした。

ラマダン中で他に食事できる場所も限られているので、ホテル内のレストランにも大変お世話になりました。

 

ホテルでシラーズを案内してくれるガイド(夫婦でガイド&運転手をやっている方々でした!)と落ち合ってまず訪れたのはカリムハーン要塞。

 

カリムハーン要塞は1697年のザンド朝時代に王の住居として建設されました。

要塞という名前なのにね…。

パフラヴィー朝時代には監獄として使用されていたそうです。

 

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テラスがある。こう見るとテヘランのゴレスタン宮殿と構造がよく似ている。

 

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建設当時のオリジナルが残っている場所もある。まだかなりしっかり色がついている。

 

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水路は完全に干上がってしまっている。イランの庭園は中心に水路が走っていて左右対称というスタイルが本当に多い。そういえばアルハンブラ宮殿もこのスタイルだった。

 

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修復を重ねて観光客向けにキラキラしている場所よりも、こういう手つかずっぽい感じの場所の方が好きだったりする。(ちゃんと保全はしているんだろうけども。)


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ステンドグラスが一際目を引く。

 

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四隅にあるタワー内にはそれぞれ二部屋が設けられており、一部屋は兵士が休憩する場所、もう一部屋は武器を保管する場所として使われていたそう。

 

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四方は12mの壁に囲まれている。

 

続きましてはシラーズの貴族、カヴァム一族の元邸宅であるカヴァムハウスへ。

19世紀後半にカヴァム家の住居兼オフィスとして建てられ、貴族の社交の場でもあったんだとか。

オレンジの木がたくさん植えられていることからオランジェリー(オレンジ庭園)とも呼ばれています。

 
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またしても出ました、水路。こちらも水は流れておりませんが花が植えられており見た目がよい。

 

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使用人は男性でもスカートを着用していた。

 

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このようなスタイルをペルシャ庭園と呼ぶらしい。

 

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この二頭のライオンはシーサー的な役割なんだろうか?ライオンはいいとして、天使はOKなのか?


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テラスを中心に左右対称の作りになっているのがカヴァムハウスの特徴。


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当時使われていた家具もある。こういう柄の家具、祖父母の家に昔あった気がする。笑


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 昔の洋館のような雰囲気。神戸にありそう。

 

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カージャール朝時代によく見られた漆喰壁。天井は木製。

 
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鏡の間。鏡が高級品だった時代はこのような部屋を作ることが権力の象徴になったんだろうか?


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この花が顔みたいに見えるって教えてもらった。写真はピンボケw


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ヨーロッパだと貴族の邸宅?どうぜどこも同じようなもんでしょとスキップしがちなのですが、イランでは何もかもか新鮮で興味深く見学しました。

カヴァムハウスは庭園いっぱいに花が植えられているので散歩するのも楽しいです。(めちゃくちゃ暑いけど…。)

時期によって植えられている花が違うので、季節の花にも注目です。

 

そこからハーフェズ廟へ。

イランの詩人、ハーフェズが眠っている場所です。

イラン人なら誰もが家にコーランとハーフェズの本を必ず持っていると言われているほど、国民に愛されている詩人ハーフェズはシラーズ出身なのです。


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ドーム型の廟が最初に建てられたのはハーフェズの死後65年経ってからのこと。現在のものは1935年に建てられた。

 

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地元の人(と思われる人々)もたくさん見かけた。ハーフェズが本当にイランの人々に愛されているのがわかる。

 

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カラフルなドーム内部。多色使いなのに上手くまとまっていて綺麗。

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こんなに綺麗なお墓を建てるなんて、イランの人たちの愛を感じます。

敷地内を散歩している家族連れや友達グループもたくさんいて、シラーズの人たちの日常の一部になっているんだなと思うと心が温かくなりました。

一見地味に見えるハーフェズ廟ですが、シラーズの必見スポットです。(というか全て必見、どこもかしこも素敵すぎて選べない…。)